シベリウスの交響曲1番を聴いている。 初めて聴く。
1889年の作品だ。 だいぶん認識がぼやけていて北欧のどこだったかなと思っていたが、解説に目を通してみると、フィンランドの作曲家なんだ。 『フィンランディア』も、当分聴いていなかった。
今、なんとなく思い出していたが、おそらく、『フィンランディア』を最初に聴いたのは、高校の音楽の時間ではなかったろうか? 今、はっきりした記憶では無いが、シャリアピンの『ヴォルガの舟曳き歌』も、『運命』も『英雄』も、『幻想交響曲』も、そう言えば『火の鳥』や『春の祭典』もラベルの『ボレロ』も、聴いたような気がする。 校舎から離れて運動場の端っこにあった音楽教室は、私の忘れられない場所だ。 聖地のような場所だった。 私の精神的状態が一気に深刻化していった時期で、登校拒否も始まっていたのだが、よく覚えていないが、音楽の時間は全部出席していたのではなかったろうか?
『コーリューブンゲン』も全部上げたし、それが抜けたような記憶は無いような気がする。 先生は石井洋之助さんだった。 当県の音楽教育の先人だった。
私が習ったのは1950年代の後半だった。 当時はレコード自体が貴重品だった。 SPレコードで、持っている人自体が少なかったのだ。 だから、授業で聴かせてくれたんだと思う。
東京に居たとき、同じ授業を受けた同窓生と大話になったが、高校のあの時のあの時間は、私には貴重だったんだ。・・・・・・
石井洋之助さんは、ほんとうに音楽を愛していた。 授業の時の姿が思い出されてくる。 決して大柄ではなかったが、いつも、熱弁をふるっていた。 心をこめて話していたように思う。 そして、叱るということが無かったのではないだろうか? 『コーリューブンゲン』の、難しい音程でも、辛抱強く教えてもらったのではなかったろうか?
・・・・・・・図らずも思い出されてきた。・・・・・・・
私は、貴重な時を過ごしていたのだ。
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