カテゴリ
全体 トラウマサバイバー 進路 メンタルヘルス カウンセリング 健康 文化 文学 詩・句 音楽・舞踊 美術 映画 演劇 テレビ番組 社会問題 科学 自然 情景 思い出すこと 日常 旅 友人 おふくろ 仕事 庭仕事 料理 PC 車 卓球 いろいろ 不思議なこと 失敗 怪(?) 未分類 以前の記事
2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 more... お気に入りブログ
アトリエkaguyawing おパリな生活 プチ撮り福岡そしてスケッ... 街の風景 ~横浜・東京篇~ ナカマサニッキ 非天然色東京画 そして今日も途方にくれる フランス存在日記 新しい発見 まさかり半島日記 のらねこ。 (野良にゃ... 但馬・写真日和 楽貧生活 SEHIDUP-SEMA... フランス生活便り ★ウルフのスナフ物語(... 吐息・・・ 天気晴朗なれど~ 専業主婦の本棚 rio’s story みちのくの大自然 shot & shot 村人生活@ スペイン デジカメつれづれ日記3 こころの色 九十代万歳! (旧 八... 陶工房「上名窯」通信・... ネコ!いつかは干支に・・・ パリの郊外暮らし トスカーナ 「進行中」 ... 散歩日和 田口ランディ Offic... larywa Bon Copain! ひつじ雲日記 たびねこ タスマニアで生きる人たち ネコは猫でも... (... sadwat blog 旅するように暮らしたい FOTO CYCHEDE... 黒い森の白いくまさん 陰翳の煌き *PONCHIKUISM* あに☆いもうと ありがとうはまほ(う)のことば かぼすちゃんとおさんぽ。 焚き火小屋の備忘録 木蔭のアムゼル 「tamawakaba.... 光と影をおいかけて 助手M1日記 ゆっくり生きる 農家の嫁の事件簿 +(ぷらす) ねこの撮った汽車 豆ズがやって来た!ニャア... ku-miru-hiku feel the wind 地球の子ども新聞 Colors of Se... アメリカからニュージーランドへ 世に倦む日日 日々のことなど。 森の小道 子育て探検日記... ちくわ部 おやこ3人。ねこ2ひき。 ふくとぽん 外部リンク
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
あさってからは9月。 9月の声を聞くと、もう、年の終わりの方が近いのだと、思う。
黒田清輝展、明治の息吹を感じたと、言うべきか。 木炭のデッサンでも、衣服の質感や色まで感じさせるように描かれている。 雪の景色を描いた絵も何点かあるが、雪を描くのは難しいと思うのだが、平板な、真っ白な雪ではなく、いろんな色によって、起伏や、影や、窪みや、逆に光があたっているところなどが描かれているのだ。 それは、人の肌についても同じである。 絵によっては、女性の二の腕の色が、灰色というか薄黒というか、黒っぽく描かれているものもあるのだ。 ちょうど、影になっているところではあるのだが、それも、二の腕全部が黒っぽいのではない。 二の腕一つでも、いろいろな色が使ってある。 また、黒っぽいところもべったり黒いのではない。 縮れ布のように、また木漏れ日のように、小さく明るいところが混ざっているのだ。 どこまでもリアルに、見えるままに見ているのだ。 それは、帰国後、日本人や日本の風景を描くときも同じように貫かれているので、ヨーロッパから帰った他の多くの画家が戸惑った日本の空気感や、人の顔やスタイルの違いに惑わされることなく、より、日本人らしさや、日本人の衣服や建物や景色を、感じさせるものとなっている。 着物の柄も、見えるままに、一つ一つそのまま描いてあるから、例えば、紫と白だったかの縞柄の着物も、袖の折り目のところでくっきりと曲がっているところが描かれている。 その折り目の光のあたっている方は白っぽく、折り目から陰になっている方は暗く描いてあるのだ。 だから、着物が、よく、体に添っているし、その柄の良し悪しまでわかるのだ。 舞妓の着る緞子かな、裾が厚ぼったく膨れているものや、仲居の粗末な着物の様子もよくわかる。 見えるままに描くことは顔の表現でもそうだ。 『昔語り』の下絵の様々な人物の顔は、1人1人、見応えがある。 ことに、その、木炭によるデッサンは、すごい。 男に寄り掛かる舞妓の長い睫毛(まつげ)一つが雄弁に舞妓の気持を語っているようだ。 以上のように、私が一番驚いたのは、そのリアルさだった。 どこまでも、見えるままに見ていこうという目、それが、一つ一つの質感をよく伝えているのだ。 それは、明治という新しい時代に開かれた目かもしれない。 若き黒田清輝が、生き生きと描いていった様子も想像されるのだ。 それは、正に、明治でなければ、なされ得なかったものではないだろうか? 物足らなかったのは、テーマである。 何を良しとするかという作者の観点が、風景にしろ人物にしろ、また、構成画にしろ表現されてくるものだろうと思うが、デッサンにおいて捉えられたリアルさが、完成画においてはずいぶん曖昧で、朦朧としたものになっていたように思う。 その点では、展覧会を見終わって、魂を揺さぶられるように思った絵に出会えたのかどうか、食い足らないものがあったことも、事実である。 にほんブログ村
by Silvergray777jp
| 2009-08-31 01:24
| 美術
|
ファン申請 |
||